秋季新潟県大会準優勝の帝京長岡は大前咲斗内野手(1年)が打線をけん引する。

今秋からスタメンに定着した新戦力は県大会でチームトップの打率4割4分4厘をマークした。持ち前の勝負強い打撃を北信越大会1回戦(14日)の高岡第一(富山3位)戦から発揮する。北信越大会(福井)は5県16校が参加し、14日に開幕する。

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「自分がヒーローになる」。大前はチャンスを常に待ち望んでいる。県大会では6試合で18打数8安打、打率4割4分4厘はチームトップで、9打点は中軸を打つ茨木佑太投手と渡辺侑耶外野手(ともに2年)に次いで3番目と打線の中核としてチームを支えた。「応援もあって気持ちが高ぶった。特にチャンスの場面は打てる気しかしなかった」。

新チーム始動後、すぐに頭角を現した。7月の打撃練習で芝草宇宙監督(54)にアピールすると、練習試合でも結果を残し続け、スタメンを勝ち取った。芝草監督は「練習でも、試合でも対応力がいい。勝負強さもあるし、賢い」と大絶賛し、背番号「3」を与えた。大前は「重みはあったけど、背番号を意識しすぎるのも良くない。中途半端だけはやめて、思い切りバットを振った」と結果で応えて見せた。

憧れの選手はオリックスの来田涼斗外野手(20=明石商)で、19年センバツの準々決勝、智弁和歌山戦で放った先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打が頭に焼き付いていると言う。「ここぞでの1本。来田選手みたいな豪快なバッターになって甲子園で活躍したい」と自身が甲子園でプレーする姿を思い描く。「帝京長岡で初の甲子園」を目指し、新戦力がグラウンドで暴れ回る。【大島享也】

 

◆大前咲斗(おおまえ・さくと)2007年(平19)6月5日生まれ、京都府出身。久我の杜小3年で野球を始める。神川中では大津瀬田ボーイズに所属し、3年時に全国大会出場した。168センチ、68キロ。右投げ右打ち。血液型A。