新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった20年の全国高校野球選手権。当時の高校球児が集結するイベント「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児野球大会」が29日、甲子園で開幕した。

第2試合で倉吉東(鳥取)OBと戦った関大北陽(大阪)OBはスタンド応援でも「あの夏」を取り戻していた。

吹奏楽やチアリーディングなど有志約90人で1日限定の応援団を結成。当時関大4年で応援団リーダー部の応援団長だった森岡豪さん(25)が“団長”としてけん引した。グラウンドのはつらつプレーをもり立て、「当時(NPBの応援歌も作る)ジントシオさんに作曲してもらった『カイザーズ』の応援歌を、ここで自分が応援団長として演奏できてよかった」と笑みを浮かべた。

横浜市から友情応援のため駆けつけたのは、朋優学院(東京)のオーボエ奏者・谷崎優樹さん(17)。甲子園での観戦歴もある阪神ファンで「甲子園での演奏は初めて。オーボエも野球応援では、使われない楽器で演奏できてよかった」と語り、特別な時間をかみしめた。またチアには、08年の春夏の甲子園大会に千葉経大付のチアとして参加した高山美那さん(31)の姿もあった。

それぞれがそれぞれの思いで「あの夏」を過ごしていた。【中島麗】