高校野球シン時代の申し子だ。東海大相模(神奈川)・藤田琉生投手(3年)が富山商を7回を毎回の13奪三振、無失点と好投。今春から高校野球で認められた2段モーションで大化けした規格外の198センチ左腕が、元巨人捕手の原俊介監督(46)に甲子園初勝利をプレゼントした。広陵(広島)は1年から背番号「1」を背負う高尾響投手(3年)が、9回の一打サヨナラ負けのピンチも2者連続三振で切り抜け、熊本工との接戦を制した。明徳義塾(高知)、関東第一(東東京)もそろってベスト16進出を決めた。

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異次元の投球で面食らわせた。藤田は「198センチの高さを経験したこと、ないと思うので」。両親は元バレーボール選手でともにアタッカー。DNAのまま投げ下ろし、最速149キロの直球と緩急を織り交ぜた変化球で相手打者に空振り、ファウル、フライを量産させた。114球を投げ、フェアゾーンへのゴロ打球はわずか4つ。7回毎回の13奪三振、無失点。「変化球で強く腕を振れたのが良かった」と振り返った。

約2メートルの領域はほぼ誰も知らない。指導者でさえ。プロには長身投手も増えた。でも動画では学ばない。「その人のイメージが頭に残って、フォームころころ変えて肩肘痛めるので」。我流ゆえ苦しんだ。フォームがしっくりこない。

吉報は今年2月。高校野球で2段モーションが解禁された。藤田は中学の後半を2段で投げていた。

「2段モーションがあったから自分の良さを取り戻せたと思います。体重移動を自分のスピードでできるので、心が落ち着くというか。腕や顔もぶれずにまっすぐ下ろせるので、制球にばらつきもなくなって」

もし2段モーションが禁止のままだったら-。藤田は「たぶん3番手とかだったんじゃないかと、まだ思ってますね。まっすぐが来ない、もっと変化球寄りの投手で」と率直な心境を明かす。時代に味方された大型左腕は「これを生かしてどんどん攻めたい」と言い、初の甲子園にも順応してみせた。次の3回戦を勝てばベスト8に。「自分らしさ、相模らしさを出せばいい勝負ができると思う」と胸を張る。広陵も面食らわす。【金子真仁】

▽巨人水野スカウト部長 でかくてストレートもしっかり来る。左投手の高校生候補として素晴らしい投手だと思います。

▽楽天後関スカウト部長 スライダーが切れていていい。あれだけ身長があると、やっぱり打者からしたら怖いですよね。

◆藤田琉生(ふじた・りゅうせい)2006年(平18)11月17日生まれ、神奈川県藤沢市出身。小1で野球を始め、中学では湘南ボーイズでプレー。性格は「破天荒、おちゃめ」と自己分析。198センチ、96キロ。左投げ左打ち。

◆毎回奪三振 東海大相模の藤田、福田が継投で記録。22年近江が山田、星野の継投で鳴門から15三振を奪って以来、通算95度目。