<高校野球東東京大会:東京10-0八丈>◇9日◇1回戦

 東東京大会が開幕、東京が八丈を6回コールド10-0で破り、1回戦突破一番乗りを果たした。開会式直後の試合とあって、多くの野球ファンがスタンドを埋める中での試合。松下浩志監督(30)も「ノックのときから表情が硬かった」と緊張していたナインが、本来の力を取り戻したのは3回だった。菊地将吾外野手(3年)の先制ソロが飛び出すと、5回には7連打を含む合計9安打などで8点を奪い、試合を決定付けた。

 チームは昨年の夏、秋とも初戦で敗れた。松下監督によると、ともに実力を出し切れぬままの敗戦だったという。「どうやったら実力を発揮できるか、選手たちには『自分たちで壁を乗り越えるしかないぞ』と常々、言ってきた。良くやったと言ってやりたい」。大舞台で自ら殻を破った選手たちを称賛した。

 6月の組み合わせ抽選会では、同監督が「お前はくじ運がいいから」と指名した舘原伸弥内野手(3年)が開幕戦の当たりくじを引いた。同選手はこの日、出番はなかったが、チームは運で得た注目の一戦を実力で制した。13日の2回戦では、小山台と対戦する。