<高校野球福島大会>◇13日◇開会式

 福島県郡山市の開成山球場で行われた開会式は、選手の受ける放射線の量を低減するために簡素化。今春の選抜高校野球大会と同様に各チームが外野からマウンド方向に前進した。

 学法福島の塩瀬龍主将(17)は「まだまだ福島の困難は続くが、勝ち負けという枠を取り払い、人と人とのつながりを大切にした日本一熱い夏にすることを誓います」と選手宣誓。開会式に先立ち、選手全員が東日本大震災の犠牲者を悼み黙とうした。

 多くの保護者や仲間が観客席から見守る中、87チームの選手は堂々とグラウンドの土を踏んだ。福島第1原発に近い、双葉翔陽、富岡、相馬農の3校による「相双連合」の入場時にはひときわ大きな拍手が送られた。

 福島大会では、試合開催日の早朝に各球場で本塁付近やスタンドなど5カ所の地面から50センチの高さで放射線量を測定。国が屋外活動制限の基準としている毎時3・8マイクロシーベルトを超えた球場では、その日の試合を中止する。

 13日早朝の開成山球場の測定結果はセンターの守備位置付近が毎時2・2マイクロシーベルト。三塁側スタンドなどほかの4カ所は0・2~0・8マイクロシーベルトだった。

 相双連合は14日に喜多方と対戦。順調に日程を消化すれば、27日に決勝を行う。