明治神宮野球大会(15日から、東京・神宮)に出場する鵡川が13日、東京入りし、すぐに神奈川・横須賀スタジアムで約2時間の練習を行った。人工芝の神宮球場に対応するため、同じ人工芝の同スタジアムで守備練習を重点的にこなした。北海道で球場での人工芝対策ができなかった分、各自が対応策を意識し本番へ備えた。14日の開会式に臨み、初戦は15日の第2試合で、日本文理(新潟)と対戦する。

 天然芝と人工芝の違いを身をもって味わった。マウンドでのフィールディング練習後、小走りで引き揚げたエース西藤昭太(2年)が、右足のスパイクのツメが芝に引っかかり、右足首に不規則に体重がかかりよろけた。佐藤茂富監督(68)も一瞬、表情をゆがめた。大事には至らなかったが、西藤は「気をつけないとならないですね」と、緊張が走ったシーンだった。

 慣れない人工芝とあって野手もバウンドや打球の速さに戸惑った。一塁手の森泰一主将(2年)も打球後逸を連発。外野手も跳ね方が大きい打球の処理に戸惑った。5年前の明治神宮出場時には札幌ドームで2度も練習を持つなど、道内で万全の対策を講じてきた。今回はそれができず、寮の隣にある人工芝室内練習場でのノックがすべて。本格的な対策としてはこの日が初めてだった。

 森主将は「打球が速いですね。内野手は球を体で止めること、外野手は芝が長いので最初の1歩を早く出ることが大事だと思いました」と、25分余りのノックの間に対応を考えた。左翼手の柳田恭平(2年)も「ボールが跳ねるので守りづらい。後ろに(体を)引いたら多分、頭を越される。前に突っ込むしかない」と話した。大会直前ではあったが、それぞれに対応策を頭に入れた。

 約2時間の練習を終え、佐藤監督は「選手の動きは本当に良かった。元気も良かったし天気も良かったな」とご機嫌。球場に響き渡るような怒鳴り声も飛び出し、指揮官の気合もいよいよ高まってきた。14日も午前中は横須賀スタジアムで汗を流し、夕方の開会式に臨む。ナインは「鵡川の野球をするだけ」(森主将)と自然体を貫き、まずは5年ぶりの全国勝利に挑む。【本郷昌幸】