<高校野球宮城大会>◇9日◇開会式

 宮城県の村井嘉浩知事(50)が9日、同県の知事としては14年ぶりに夏の高校野球宮城大会開会式に出席した。

 復興の陣頭指揮を執る同知事はこの日も防災服姿。来賓あいさつに際し、場内アナウンスがその名を告げると、スタンドの観客から大きな拍手がわいた。「みなさんのはつらつとしたプレーで、被災した人々に元気を与えてください」。始球式では、ブルペンで30球の練習をしたにもかかわらず惜しくも高めのボールだった。それでも「被災地の高校生(名取・佐藤達捕手)が受け手だったから、復興への思いを込めて投げました」。囲み取材の締めくくりでは「これだけ取材して小さく扱う社は『終わり』だからね(笑い)」。松本前復興相との一件をギャグにするセンスを発揮した。

 午後には、就任後初めて被災地入りした平野達男復興対策担当相とJR仙台駅近くのホテルで会談。知事は「応接室は客を先に入れるが、ホテルでは部屋の前で迎えるのが常識」と、ドアの前で出迎え笑顔で握手し、またも松本龍前復興相との一件をネタに笑わせた。会談後、命令調ではなく、対等な関係で協力を求めた平野復興相について「私たちの意見に真摯(しんし)に耳を傾け、ひとつひとつ回答をもらった。非常に素晴らしい方に新大臣になってもらい、心からうれしい」と述べた。