<高校野球青森大会:野辺地西29-0青森東高平内>◇13日◇1回戦

 野辺地西が青森東高平内に5回コールドで大勝発進した。3回裏無死一塁で代打に起用されたのは福島・大熊町出身の赤井智哉(1年)。結果は背中への死球。後続の二塁打でホームを踏んだ。4回裏には中前打を放ち、1打数1安打2得点。「緊張したが、高校初の夏に2度もホームを踏めてうれしい」と声を弾ませた。

 実家は福島第1原発から5キロ圏内にある。震災翌日の12日から避難生活。家族は現在、会津若松市で生活している。自宅に戻れるめどは立っていない。赤井は避難の時、グラブとボールだけは持ち出した。避難所生活の時も、やはり野球部の中2の弟とキャッチボールと筋トレは欠かさなかった。

 一昨年の準々決勝で優勝候補光星学院を破った強豪野辺地西に、昨秋から進学を決めていた。「野球ができない福島の仲間もいる。その分も頑張らないと」と顔を引き締めた。