<高校野球熊本大会:九州学院11-8天草工>◇18日◇4回戦

 待望の復活弾だ!

 九州学院の4番萩原英之二塁手(2年)が天草工戦で2本塁打を含む4安打4打点を挙げチームを8強へけん引した。昨夏の甲子園でPL学園・清原和博以来の1年生4番として本塁打を放ったスラッガーが、復活へ手応えをつかんだ。

 不動の4番が、夏の太陽を浴びて再び輝きを取り戻した。九州学院の萩原が自身初となる公式戦での1試合2本塁打で打線をけん引。両チーム計33安打の乱打戦。1度は3点ビハインドとなる苦しい展開となったが8強へコマを進めた。

 待望のこの夏1号は1回2死二塁で飛び出した。内角直球を振り抜くと右中間スタンドで弾む先制2ランとなった。8回も内角の直球をはじき返すと、台風の影響の強風にも乗って右翼スタンドへ。「1回は何が何でも走者をかえそうという気持ちでした。引っ張ろうと思ったんじゃなくてがむしゃらに、自然に打った結果です」。5回には右翼へ6回は左前と左右へ打球を飛ばしてこの日4打点。3試合目にしてようやく初打点を挙げ、4番の役割を果たした。

 昨夏の甲子園では1年生4番としてブレークした。4試合で本塁打1本を含む8安打を放ち4打点。打率4割7分1厘という数字を残した。だが、その夏の1発のイメージが強く残りすぎ、秋以降は本来の豪快な打撃が影を潜めた。今春のセンバツでは2試合で7打数無安打。試行錯誤の末、大会開幕1カ月前にグリップの位置を下げた。しっくりくる高さを模索し、ようやく体に染みついてきた。長打よりつなぐことを意識するなど、いろいろ迷った時期もあったが「九学の4番として4番らしさが欠けていたと思う。4番としての誇りを持って、ノビノビ打席に立ちたい」。精神的にも少し成長した。

 昨年より体重は5キロ以上増えた。走り込みで下半身も大きくなった。昨夏立ったあの甲子園の打席で、成長の証しを見せたい。「甲子園にもう1度行かなくてはいけない。勝つためには点が必要なので」。勝つための点は自分のバットでたたき出す。強い決意を持って萩原が3度目の甲子園を目指す。【前田泰子】