<高校野球茨城大会:常総学院9-0中央>◇22日◇3回戦

 内角スライダーに肩を開かず、ライナーを右翼席に突き刺した。常総学院が5回に1イニング3本塁打。締めの1発は、大崎兄弟の末弟健吾外野手(2年)が放った。「オレも打ってやると思っていたけど、信じられない」。公式戦初、高校通算2本目に声をはずませた。先頭の4番和田翔平内野手(3年)が右翼席へ運ぶと、続く菅原拓那外野手(2年)は右翼場外弾を放った。左から右への強い風。同じ左打者として、大崎の負けん気に火がついていた。

 大崎の兄2人は、常総OBで全国優勝を果たした。長男雄太朗(現西武)は01年センバツ、次男大二朗(現東京ガス)は03年夏。兄から「お前も優勝するしかないな」と言われている。家に以前、雄太朗が使用していたトレーニング器具がある。昨冬からこれで筋トレに励み、この日の1発につなげた。これまで本塁打記念球は兄2人のものだけが飾られていたが「やっと自分のも置けます」と笑った。

 平成以降の茨城大会では、2者連続弾は07年常総学院以来で3度目、1イニング3本塁打は99年鹿島学園以来2度目のレア記録。あまりの猛打に木内幸男監督(80)は「接戦をひとつ経験したい。子供たちが野球をなめてしまう」。2連続コールド勝ちに苦笑いしていた。【斎藤直樹】