<高校野球茨城大会:常総学院5-1守谷>◇24日◇4回戦

 常総学院が優勝モードへ準備を完了した。2試合連続コールド勝ちから一転。初めて3回まで無得点、5回に初失点を許した。とはいえ今夏勇退予定の木内幸男監督(80)には想定内の試合運び。18人をテスト起用し「使える選手と使えない選手が分かった。優勝するチームは一戦必勝じゃない。エースはデビューさせていないし」。酷暑を見越して背番号1の滝沢雅也(3年)は温存したまま、2年ぶりの8強進出だ。

 ここまで力で押してきたが、徐々に「木内マジック」の準備を進めた。4回、左投手対策で4番に初起用した西山卓治内野手(3年)の右翼線安打で好機を拡大すると、次打者の内野ゴロで野選を誘い先制。6番和田丈内野手(3年)にはセーフティースクイズを命じた。和田は「打てない流れが続いていたのでサインを待っていた」と以心伝心。ベストメンバーで戦う今後に向け、細かいサインも実践した。

 この1勝で木内監督は夏の茨城大会通算200勝を達成した。「50年もやっている割には少ないな。思い出はたくさんありますけど」。思い出の一戦は、ライバル水戸商に代打攻勢で逆転勝ちした試合を挙げた。常に本音を語る名将は「大会は明日から」。もちろん最後は甲子園で飾るつもりだ。【斎藤直樹】

 ◆観戦した「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の著者岩崎夏海氏

 (木内野球は)無駄に体力を消耗したり、スライディングをしない。勝つために集中している。そこが好き。