<高校野球岩手大会:紫波総合3-1遠野>◇7日◇1回戦◇花巻球場

 紫波総合が初の全校応援を背に歴史の1ページを刻んだ。昨夏も初戦で対戦し敗れた遠野を下して04年の校名改称後、夏初勝利を飾った。スタンドの600人からは大歓声。就任3年目の北田文祐監督は「うれしいの一言」と胸をなで下ろした。

 高校から野球を始めた主将の声が勝利へ導いた。池脇大雅内野手(3年)は見前中では陸上部。2年時に棒高跳びで盛岡市で優勝し、県大会でも4位に入った。入部当初は「何もできなかった」が、誰よりも遅くまでノックを受け、バットを振った。努力の主将は、決勝打の福士稔希内野手(2年)に「打てなくてもいいから気楽にいけ」と声を掛け、背中を押していた。新里翔吾投手(3年)にも「俺が捕ってやる」と声を掛け、9回のピンチを脱した。主将は「打てなかったしエラーもした。みんなに支えてもらった」と感謝した。

 野球転向を決意したのは、中学の同級生が花巻東や盛岡大付に入ったから。「戦いたい」という池脇が、今度は自らのバットで勝利をつかみ取る。【鹿野雄太】