<高校野球兵庫大会:滝川二6-2加古川北>◇28日◇決勝◇ほっともっと神戸

 滝川二が加古川北に逆転勝ちし、13年ぶり3度目の優勝を飾った。近年はサッカー部の活躍に押されていたが、復活の夏甲子園を決めた。

 歓喜の輪が解けると、滝川二の主将、沢田昌吾外野手(3年)は、応援団で埋まった三塁側スタンドに駆け寄った。「サッカー部だけじゃないぞ!」。ありったけの声を絞り出し、鮮やかな逆転で決めた優勝の喜びをかみしめた。

 サッカー部が有名で、10年度の全国選手権を制している。1年生だった沢田ら野球部員は、国立のスタンドから決勝を観戦。同じウエートトレーニング場で語り合った仲間たちの勇姿を、目に焼き付けた。「サッカー部とは切磋琢磨(せっさたくま)してきた。野球部も負けたくないと思った」。

 10年12月に就任した渋谷卓弥監督(53)から、野球への取り組み方をたたき直された。「1回の素振り、球拾いも全力でやれ」。3カ所から5カ所に増えた打撃ケージで、徹底的にバットを振った。体づくりに本気で取り組み、野菜を食べるようになった。この日は2点を追う4回無死一塁から右前打で好機を広げ、逆転劇を呼んだ。4打数2安打で、どこからでも点の取れる打線の核になった。

 沢田は「僕たちも全国制覇を目指したい」とかみしめた。2年前のサッカー部に負けじと、甲子園で暴れ回る。【村野森】

 ◆滝川二

 1984年(昭59)に滝川高の兄弟校として創立された私立校。生徒数は838人(女子343人)。野球部創部も84年で、部員数62人。甲子園は春3度、夏は3度目。OBに元中日中村公治、元楽天益田大介、サッカー日本代表FW岡崎慎司ら。所在地は神戸市西区春日台6の23。折戸善信校長。◆Vへの足跡◆2回戦7-0淡路三原3回戦4-1須磨翔風4回戦1-0県伊丹5回戦5-1神戸国際大付準々決勝7-4社準決勝2-1報徳学園決勝6-2加古川北