<高校野球和歌山大会:智弁和歌山4-2那賀>◇28日◇決勝◇紀三井寺球場

 智弁和歌山が前人未到の8連覇を達成した。延長14回の激闘の末つかんだ戦後最長となる連続出場記録。高嶋仁監督(66)は「目指してやることじゃないよ。1年1年の積み重ね」と胸の内を明かした。

 甲子園が呼んでいた。初回に2点を先制され、打線は6回まで3安打で二塁すら踏めない。それでも7回、失策や暴投など那賀のミスにつけ込み同点とした。「なんでか相手がミスしてくれてね。甲子園に行きなさいと言われている気がした」と高嶋監督。14回に大倉卓也内野手(2年)の右越え三塁打で勝ち越した。

 8年間、大会までの調整は変わらない。6月から走り込みを中心とした追い込み練習を始める。毎週月曜日には長めのミーティングで、甲子園を目指す意思や戦術を確認する。「今年は打たんから。なんとか3人の投手でね」。名将率いる和歌山最強王者が、慣れた聖地で暴れ回る。

 ◆夏の選手権・地方大会の連覇

 戦前は15~28年に和歌山中が関西、紀和大会で14連覇しているが、戦後は98~04年明徳義塾の高知大会7連覇が最長だった(8年目の05年は優勝後に不祥事で取り消し)。

 ◆智弁和歌山

 1978年(昭53)創立の私立校。生徒数801人(女子304人)。野球部は79年創部、部員数31人。甲子園出場は春10度、夏20度目。優勝は春1度、夏2度。OBに巨人中谷仁、ヤクルト武内晋一ら。和歌山市冬野2066の1。藤田清司校長。◆Vへの足跡◆2回戦2-0田辺3回戦5-4南部準々決勝13-3粉河準決勝8-1桐蔭決勝4-2那賀