<全国高校野球選手権:光星学院4-0遊学館>◇12日◇2回戦

 光星学院(青森)の城間竜兵(3年)が、今春センバツに続いて完封を飾り、初戦突破した。背番号「4」の完封は、夏の大会では54年の山沖儀行(三原=広島)が秋田戦で達成して以来58年ぶり。春夏完封は史上初だ。センバツ1回戦の北照(南北海道)戦に続き、夏の初戦でも快投。この日最速142キロの直球を中心に、遊学館をわずか4安打。三塁を踏ませなかった。121球を投げ抜いた右腕は「内角への直球が良かった。9回は(完封を)意識した」。仲井監督に「ナイスピッチング」と声をかけられ、笑顔を見せた。

 センバツ後から確実に進化した。準優勝で相手に研究され、春の県大会や練習試合でも変化球ばかり狙われた。「直球に磨きをかけないと、変化球が生きない」。毎日100球以上を投げ込んだ。二塁手と兼任の城間は、打撃や守備練習が大半。合間や練習後にブルペンに入る。走り込みはメニュー通り30分。「走るのが得意でも、マウンドでダメな投手もいる」。狙い通りに球速は3キロアップ。最速143キロまで伸ばした。

 女房役の信頼に応えた。8回の先頭打者に四球を与えたところで、仲井監督は継投を考えた。「金沢(湧紀=3年)で行くか?」と聞かれた主将の田村捕手は即答した。「いや、城間で行きましょう」。最後まで球威、変化球のキレとも落ちていなかった。それでも城間は「少し制球が乱れたので、今日は85点」と自分に厳しい。背番号4右腕の目指すところは、もっと先にある。【鹿野雄太】