<高校野球宮城大会:柴田7-0宮城農>◇27日◇準々決勝◇石巻市民球場

 柴田が7回コールドで宮城農を破り、準優勝した02年以来11年ぶりの4強入りを決めた。エース右腕岩佐政也(3年)が3安打8三振で完封。山元町立山下中でチームメートだった宮城農・小野成一投手(3年)との投げ合いを制した。

 真新しい縦ジマのユニホームに身を包んだ岩佐がマウンドでほえた。4回戦の東北学院戦(24日)で延長13回160球を1人で投げ抜いた疲れも見せず、安定感抜群の投球で凡打と三振の山を築く。柴田の躍進を支えるエースは「去年はベスト8で自分が投げて利府に負けたので、どうしても勝ちたかった」と汗をぬぐった。

 1年秋からエースナンバーを背負い、昨夏も3年生と2枚看板で活躍。しかし、秋の県大会で仙台育英に0-7で敗れた直後に右肘が悲鳴を上げた。日常生活もままならず「服も着られなかった。はしも左手で持っていた」と振り返る。投球再開は今年4月。約半年間のリハビリ中に1日20キロの走り込みで下半身を強化し、球速は130キロ台中盤まで伸びた。ボールを握りながらイメージを作った新球フォークも習得し、春の県大会では仙台育英に1-2の惜敗。着実に差を縮め「決め球に使って、うまく打ち取れるようになった」と胸を張る。

 悲願の甲子園まであと2つ。岩佐は「育英には2度負けて、悔しい思いをしてきた。決勝まで行って、小野の分まで甲子園に行きたい」。倒した親友の思いも胸に、王者へのリベンジを誓う。【鹿野雄太】

 ◆岩佐政也(いわさ・まさや)1995年(平7)4月4日、宮城県亘理町生まれ。山下二小1年から山元スネークス(現山二中少年野球クラブ)で野球を始める。4年時から投手で、山下中ではエースとして全国大会出場。柴田では1年秋から背番号1でベンチ入り。家族は両親、弟。右投げ右打ち。175センチ、64キロ。血液型A。