<全国高校野球選手権:福井商4-3帯広大谷>◇10日◇1回戦

 コツコツと自慢のバント攻勢で逆転勝ちだ。福井商が2つのスクイズで試合を決めた。1点を追う8回無死一、三塁で、5番安田のスクイズで同点。1死一、三塁で7番林のスクイズも決まって逆転に成功した。

 終盤に巡ってきたチャンスに「スクイズのサインは迷いなく出しました」と米丸友樹監督(35)。福井大会5試合で30犠打の大会新記録を樹立してきた自信があった。犠打の練習は徹底的にした。左右への犠打、スクイズ、セーフティー、セーフティースクイズの4種を守備をつけて行う。その後、打撃用のケージに入り1球で犠打を決めるのがお約束。失敗するとナインから「(ミスが)試合に出るぞ!」と声が飛ぶ。

 同点のスクイズを決めた安田は「完璧です」と振り返った。狙い通り、一塁前に転がした。安田は自宅に帰り、自身の犠打を“復習”する。失敗した試合の録画を繰り返し見て成功率を高めてきた。全てはコツコツと積み上げてきた成果だ。【宮崎えり子】