<高校野球春季青森大会:青森山田6-3弘前学院聖愛>◇25日◇3位決定戦◇青森・八戸市長根公園野球場

 青森山田が弘前学院聖愛を破り、2年連続14度目の東北大会出場を決めた。1年生の5番内山昂思(こうし)左翼手が満塁本塁打など4打数2安打4打点で勝利に貢献した。

 青森山田のルーキー、背番号20の内山が東北大会の切符を大きく引き寄せた。4回表の守備では2死一、二塁のピンチで左前打を好返球。相手走者を本塁で刺し、試合の流れを変えた。打撃では2-1で迎えた5回裏1死満塁で、左翼席にライナーの本塁打を放ち、相手を突き放した。

 高校初の先発出場で高校第1号が満塁弾。「球はよく覚えていない。でも打った瞬間、入ったと思った」と内山はニッコリ。5番に起用され、見事に役割を果たした。佐藤伸二監督(41)は「スケールが大きく、楽しみな新戦力が入ってくれた」と目を細めた。

 兄は八戸工大一の内山太嗣(たいし)捕手(3年)。強肩強打で攻守の大黒柱だ。だが今月上旬の八戸地区予選で、走塁の際に相手野手と交錯。腹部を強打した影響で、今大会は欠場した。前日(24日)の準決勝では兄のいない八戸工大一に敗れた。「夏は兄のいる八戸工大一に勝って甲子園に行きたい」という。

 その前に東北大会。昨年の兄に続いて出場を決めた。「守備に自信がないのでノーエラーが目標。勝敗より1つ1つのプレーを大事にしたい」と内山は初々しい顔を引き締めた。【北村宏平】

 ◆内山昂思(うちやま・こうし)1998年(平10)9月14日、青森県平川市生まれ。小学2年から平賀ベースボールクラブで野球を始め、平賀東中では捕手、内野手、外野手。小学時代に1度、中学時代に2度全国大会に出場。家族は祖父母、両親、兄と姉。右投げ右打ち。176センチ、75キロ。血液型AB。