<高校野球青森大会>◇11日◇青森市営野球場

 開会式で県内唯一の女子部員、浪岡・山本美月(みつき)内野手(3年)が入場行進の先導役を務めた。女子は公式戦に出場できないが、男子部員に交じって練習に励んできた山内に、県高野連が大役をプレゼント。68チームの先頭を堂々と行進。整列も仕切った。

 右投げ左打ちの二塁手。浪岡に入り、最初の練習のランメニューで、半分ほどでへたり込んでしまった。「本当にきつかった」。だがその後は猛練習でついていった。筋肉がつき、体重は中学から10キロ増えた。遠征先ではカレーライス3杯をたいらげた。練習試合ではサヨナラヒットを打ったこともある。

 昨年はチームのプラカードを持って行進。観客席に向けるのを忘れてしまった。この日は「緊張したけど、うまくいった」。つらい時も、男子部員が常に激励してくれた。山内にとっても、これが高校最後の夏。「ここまでやってこれた。チームのみんなとの深い絆は一生の思い出」と目を潤ませた。【北村宏平】