<高校野球秋田大会:西目3-2秋田商>◇17日◇3回戦◇こまちスタジアム

 第4シード西目が、3連覇を目指した秋田商に勝ち、2年ぶりの8強進出を決めた。先発のエース右腕村上慎司(3年)が7安打2失点完投、打っても2安打2打点と投打で勝利に貢献した。

 最後の打者を打ち取ると、西目エース村上は雄たけびを上げた。昨夏1回戦、先発し0-2で敗れた秋田商にリベンジしての8強進出だ。最速140キロ前後の伸びのある直球は「研究されていそうなので、7割は変化球で」と、カーブやスライダーでかわすピッチング。「相手は意識しませんでした。勝ててうれしい」。初戦横手清陵戦に続く2試合連続の完投勝利に笑顔をみせた。

 カーブを思い通りに使いこなせるようになったのは大会直前だ。6失点で初戦敗退した春の東北大会後、工藤浩考監督(48)から「スケールの大きい選手になるためには、巨人の菅野選手のような少し抜ける感じのカーブが必要」とアドバイスを受け練習を本格化。動画サイトで見た元巨人の桑田真澄氏の映像も参考に制球を磨いた。「直球頼りじゃなくなった。進化したと思う」と胸を張る。工藤監督も「内角の出し入れや、打者との間合いの取り方などもうまくなった」と成長を認めた。

 「自信はない」という打撃でも、この日2安打2打点。1点ビハインドの2回表に2死二、三塁から中前へ逆転2点適時打、6回には左越え二塁打を放つなど投打にフル回転した。目標はもちろん同校初の甲子園出場。準々決勝では能代松陽と大曲の勝者と対戦する。「まだまだここからですが、どこまでやれるか楽しみ」。昨夏王者を倒したエースは、チームを頂点まで導くつもりだ。【成田光季】

 ◆村上慎司(むらかみ・しんじ)1996年(平8)7月9日、由利本荘市生まれ。小3で川内小スポ少で野球を始め、鳥海中では軟式。西目高では1年春からベンチ入り。1年秋から背番号1。174センチ、76キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、妹。血液型A。