<高校野球大阪大会:PL学園4-0早稲田摂陵>◇24日◇4回戦◇南港中央

 これがPL学園のエースだ!

 渋谷勇将(ゆうすけ)投手(3年)が今夏初完封で16強入りを決めた。わずか3安打で二塁を踏ませない投球。エースの踏ん張りに応えるように、打線が7回裏、打者一巡の攻撃で一挙4得点でケリをつけた。過去2戦は自分の投球ができず、苦い思いを経験した渋谷は「3戦目で貢献できて良かった。最後までゼロで抑える気持ちだった」とホッとした表情を浮かべた。

 負けられなかった。明峰小2年のとき「尼崎金楽寺少年野球」で野球を始めたが、小3で捕手になってから、4年間バッテリーを組んでいたのが、相手の早稲田摂陵のエース大迫源太郎(3年)だった。「対戦をすごく楽しみにしてた」。最後の夏で、かつてのチームメートに成長した姿を見せたい。そんな強い思いも力投の原動力となった。

 今夏、初めて背番号1を背負った。「ずっと1番になりたかった」。秋、春と11番で悔しさを覚えた。夏へ向け、練習では投げ込みを200球ほど行い、軸のブレを修正。大先輩の広島前田健太の映像で課題のコントロールを研究した。「選手間でも体重移動ができていないと注意してくれる。仲間がいて、勝利につながっている」。野球で出会った仲間のために、伝統校のエースは好投を続ける。【小杉舞】