<高校野球西千葉大会:芝浦工大柏2-1生浜>◇11日◇1回戦

 芝浦工大柏(西千葉)にはどうしても負けられない理由があった。1点リードで迎えた9回。エースの西本慶彦(3年)が生浜打線につかまり1死満塁のピンチ。ここでベンチから田口裕一監督(49)が声を上げた。「あとは気持ちだ」。西本が集中して投球動作に入るとバントの構えをするのが見えた。「瞬間、少し外した」スライダーはバットをかすめて一塁飛球になり、飛び出した三塁走者が帰塁できず試合終了となった。

 負けられないの思いの中には、同校OBの小宮山悟投手の存在があった。開会式前、千葉マリン球場の外で待機していたチームはロッテの球団職員から声をかけられた。手元に同校OBの小宮山悟投手からの色紙があった。「後輩諸君へ“頑張れ!!”」。大先輩からのエールに奮起した。「負けられないと思った」と西本。その言葉どおり、気持ちで競り勝った。試合後は「シード校に勝てるよう精いっぱい頑張ります」と次戦からの活躍も誓った。