<高校野球福島大会:聖光学院7-3会津工>◇19日◇4回戦

 聖光学院は、19日17歳の誕生日を迎えた5番・田村勝歩遊撃手(2年)が、勝ち越し二塁打を含む4打数4安打2打点2得点と大活躍。7-3で会津工に逆転勝ちし、2年連続8度目の準々決勝進出を決めた。

 6回以降、2度も勝ち越された聖光学院が、土壇場で底力を発揮した。今大会は日替わりヒーローが生まれる中、この日の主役は、3回戦までの7番から5番に昇格した田村だった。

 先制された直後の6回裏は、1死から左翼線二塁打を放ち、同点のホームを踏んだ。2点を勝ち越された直後の7回裏は、3-3に追い付いた後の1死二、三塁から右中間に適時二塁打を放ち、その名の通り“勝歩”(しょうぶ)を決めた。4打席4安打で、自らの誕生日を飾った田村は「朝食前に、みんなにバースデーソングを歌ってもらいました。4の4も勝利打点も初めて。気分は悪くありません」と笑顔を見せた。

 「甲子園に行きたくて」と聖光学院に入学した。部員112人がA、B、育成の3班に分かれる中、昨秋B班からA班入り。今春センバツ初戦(沖縄尚学戦)では1安打もマークした。毎年B班を指導している横山博英部長(38)は「攻撃的な野性味がある。精神面も考慮されるA班で見事にチームカラーに染まってくれた」と成長を認めた。

 父勝幸さん(44)に「勝って歩め」と命名された根っからの勝負師。この日、ガッツポーズを連発した田村は「もう1度、甲子園に行きたい」と自身初の夏舞台を見据えた。【佐々木雄高】