<高校野球北北海道大会>◇5日◇釧根地区代表決定戦

 釧根地区では釧路江南が2年連続27度目の北北海道大会(17日開幕・旭川スタルヒン)に名乗りを上げるなど、南北各16代表が出そろった。組み合わせ抽選は8日に行われる。

 昨夏北大会ベスト4の釧路江南が、7-5の逆転で釧路湖陵に競り勝った。1、2回に5点を奪われ浮き足だった。それでも昨秋就任した塚田悦朗監督(43)が「大丈夫だから。ミスは1イニングに1個だけにしてくれよな」。その一言にナインの緊張がほぐれた。小刻みに加点し、7回表1死満塁から小原佑介捕手(2年)の遊ゴロの間に同点に。9回、野竹志拡中堅手(3年)の右犠飛で勝ち越した。苦しい勝利に「勝てて本当にうれしい」と野竹は満面の笑みを見せた。

 塚田監督にとって、釧路江南の指揮官としては初の道大会になる。08年までは北見工監督として、昨年は釧路江南の部長として北大会には出場している。それでも「やはり、緊張しました。昨秋、今年の春と負けて、自分の中にも重圧があった」と振り返った。

 前向きに選手と向き合った。代表決定戦前日、そしてこの日は朝7時からと、自らが打撃投手を務め、選手を鼓舞した。主砲の牧本拓也一塁手(3年)は「40代の球じゃない。本当に全力で投げてくれて、その気持ちに応えたかった」と話した。

 自主性を重んじた。決勝のホームを踏んだ渡部嵩大左翼手(3年)は168センチ、90キロの巨漢だが「やせるな。その体で速くなれ」と指導された。ダイエットするのでなく、長所を生かせとの指示。チーム内でも俊足の渡部は「相手はこの体形でだまされる。そこをつくんですよ」と胸を張った。目標は昨夏の4強を超えること。牧本は「先輩たちを超えたいですね」と静かに誓った。【上野耕太郎】