<高校野球神奈川大会>◇15日◇2回戦

 昨夏の優勝校、横浜隼人が“ハマのアニキ”の活躍で市川崎に快勝し、連覇へ好スタートを切った。

 3番中島允誉(まさたか)外野手が7回コールド9-1の大勝を演出。1回無死一、三塁から内角低めの直球をとらえると、打球が右翼スタンドへ飛び込み先制3ラン。6回も直球を右翼へ運び、高校通算24号の2ランを放ち3安打5打点の大暴れ。「公式戦で1試合2発は初めてです」と興奮を隠せない。生還すると、ガッツポーズでほえた。

 ユニホームが阪神そっくりの「ハマトラ軍団」。尊敬する選手は「アニキ」こと阪神金本だ。1年生の秋から、腰のヘルニアで7カ月練習を離脱した経験があり「ケガをしてもチームのために出続ける姿勢は、尊敬します」と熱を込める。

 最後の夏にかける思いも人一倍だ。昨夏、レギュラー出場した神奈川大会で不振続き。甲子園ではベンチを外れた。悔しくて、試合を録画したDVDも見なかった。今年は違う。阪神に合わせ、昨夏の甲子園から使用している黄色いつばの試合帽で躍動した。「今年こそ、自分も甲子園に出ます」。春3回戦負けのため今夏はノーシード。不屈の“アニキ魂”を持った中島が、自らのバットで、今年こそ夢舞台への道を切り開く。【鎌田良美】