<高校野球北北海道大会>◇18日◇1回戦

 遠軽(えんがる)が7-0の8回コールドで名寄産を下し、準々決勝に駒を進めた。

 遠軽の右腕、西村純季(3年)は名寄産を相手に7回を3安打8奪三振で零封した。

 頭はクールにハートは熱く、旭川スタルヒンのマウンドを支配した。注目の好投手、遠軽・西村が北大会初登場。7回無失点で快勝発進を支えた。「初回を落ち着いて投げられたのは良かった」。笑顔は抑え、冷静に振り返った。

 3季を通じ、5度目の道大会で初白星。目に見えない重圧とも闘っていた。「緊張、暑さ、最後の夏とかいろいろありますから」。7回には珍しく右足ふくらはぎをつり、その回を終え交代した。それでも、自己最速にわずか1キロ及ばない138キロをマーク。「大会中には140キロにいきたいですね」と不安は感じていない。

 4日、地元遠軽で行われたイースタン・リーグ巨人-日本ハム戦で帰郷した巨人育成選手で同校OBの兄優希(20)と再会。多くは語らなかったが「楽しんでこい」とエールを送られた。プロレベルを肌身で感じ、刺激も受けた。

 準々決勝の相手は昨年と同じ釧路江南。先発した西村は5失点で、甲子園の夢を絶たれた。「今年は守備からリズムをつくる遠軽の試合をやりたい」。1年間の成長を証明するための舞台は整った。【小林明央】