エンゼルス入団当初から取材を通して、大谷翔平(以下翔平さん)と水原一平通訳(以下一平さん)をずっと見てきました。良いときも悪いときも変わらず、ほほ笑ましいほど仲良し。きっと、2人で大変な時期も乗り越えてきたからこその関係なのだなあ、としみじみ思います。
翔平さんの試合前練習には毎日、一平さんが付き添います。荷物運びやスマートフォンでのピッチング撮影、キャッチボールの相手になったりすることもあります。翔平さんは一平さんの前ではリラックスするのか、いつも笑みがこぼれます。
ときどき翔平さんはいたずらっ子になります。不意打ちで投げたボールで一平さんを驚かしたり、腕に巻いていた黒いバンドを急に放り上げてキャッチさせようとしたり、撮っているこちらも和みます。
試合中のベンチでも、真剣な表情で一平さんの話に耳を傾けていたかと思うと、満面の笑みで何かうれしそうに話していたり、本当に仲良しです。
9月17日のアスレチックス戦の試合中、翔平さんはベンチで所在なさげに、ボールをフェンス下の壁に向かって投げ始めます。どうやら何かを的にして、それをめがけて投げている様子からすると、ちょっとしたゲームでしょうか。面白かったのか相手が欲しかったのか、一平さんを誘っているようです。断り切れなかった一平さんが参加して2人で投げ始めました。
何球か投げたところで試合に緊張感が走り、2人はさっと仕事モードへ。タブレットで相手の投手情報をチェックした一平さんから真剣な表情で話を聞く翔平さん。ベンチ裏で体を動かした翔平さんを一平さんが送り出します。
今年の神がかった翔平さんの成績。翔平さんが頑張ったことはもちろん、それをずっと見守り支えてきた一平さんとの、二人三脚があってのことだと思います。
来年もこの2人に会えることを楽しみにしています。【菅敏】