MLBでは1月15日から国際FAとの契約がスタートするが、これに大いにかかわる日本の選手の動向に注目が集まっている。ロッテ佐々木朗希投手(22)だ。ポスティングシステムでのメジャー移籍を球団に要望しているとの報道が米国にも伝わり、米野球関係者がその動向を気にかけている。

MLBの国際FA契約期間は、各球団が米国外にいる16歳以上の有望株選手との契約が可能になり、今年は1月15日から12月15日までの11カ月間。各球団はボーナスプール枠が割り当てられ、1万ドル(約145万円)を超える契約金で獲得した選手の契約金総額がこの枠を超えてはいけない規定になっている。

佐々木がもし今季終了後にポスティングシステムでのメジャー移籍を望み球団がそれを認めた場合、この国際FAボーナスプールの今年の枠に適用される可能性が高くなる。日米間の現在のポスティングシステムルールでは、この適用を免れるには25歳以上か米国外のプロリーグで少なくとも6年以上プレーした経験がなければならず、佐々木は今年11月で23歳、日本プロ野球では今季がまだ4年目だ。

例えばドジャースは今オフ、大谷翔平投手(29)と10年総額7億ドル(約1015億円)で、山本由伸投手(25)と12年総額3億2500万ドル(約471億円)で契約し、今やスター選手勢ぞろいの「スーパーチーム」となったが、佐々木の獲得も熱望していると伝えられている。だが問題となるのがボーナスプール枠。昨年4月に発表されたプール金額枠によると、ドジャースのボーナスプールは592万5000ドル(約8億5900万円)で、両リーグで3番目の金額グループに入っている。だが今オフ、クオリファイングオファーを受けた大谷を獲得したことで、ドジャースはドラフトの上位指名権を失うとともに国際FAのボーナスプール枠から100万ドル(約1億4500万円)が減額されることになった。

もし佐々木が今オフにメジャーを目指すとなると、球団は限られたボーナスプール枠から契約金を提示しなければならない。ドジャースのようなプール枠が厳しい球団は、そのためのプール金を確保しておくとなれば、15日に国際FA契約が解禁されても動きにくくなる。国際FAは、解禁日から1週間程度で主要な有望株選手が契約を決めるのが普通なので、佐々木を待つために動けないとなると影響は大きい。それだけに佐々木を狙いたい球団は、日本から出てくる情報を相当注視していることだろう。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)

ロッテ佐々木朗希
ロッテ佐々木朗希