マリナーズ菊池雄星投手(29)が、4日(日本時間5日)のレンジャーズ戦で今季2勝目を挙げました。この試合で最終回を締めくくったのが、今季から加入した平野佳寿投手(36)。菊池が今季初勝利を挙げた8月27日(同28日)のパドレス戦以来、2回目の日本人リレーでした。その試合後、菊池は「ちょっとグッと来るものがありました」と、5戦目でつかんだ1勝目以上に初リレーの感慨に浸っていました。

2月の春季キャンプ以来、菊池と平野はキャッチボールの相手でもあり、互いに励まし合う存在でした。「先輩なんですが、壁をまったく感じさせず、優しく接してくれました」(菊池)。新型コロナウイルスの影響でキャンプ施設が閉鎖された後は、それまで互いの練習相手でもあった通訳も帰宅。その後は、互いに自宅のあるアリゾナ州スコッツデール近郊の公園などで一緒にトレーニングを行うようになりました。その間、なかなか公式戦再開のメドが立たない中でも、平野が宝刀フォークの投げ方をアドバイスするなど、刺激し合う間柄でもありました。「すごく意識が高いし、もちろんレベルも高い。同じチームメートなので心強いですし、かわいい後輩。一緒のチームメートで良かったと思える存在です」(平野)。

ところが、平野が7月のキャンプ再開前にコロナに感染したことで、一緒に開幕を迎えることはできませんでした。

もっとも、平野はその後、順調に回復し、8月22日に今季初登板。その後は、基本的に勝ち試合の終盤を任されるようになりました。つまり、菊池がリードを維持して救援陣にバトンを渡せば、平野とのリレーが実現する可能性が高くなるというわけです。

「こっちで日本人のリレーはなかったですし、彼(菊池)が投げている時は絶対に抑えてやろうと、後ろでしっかりサポートしていきたい。彼に勝ちが付くように頑張りたいですね」。

かわいい後輩のためにも、平野はやる気を隠そうとはしません。

今季の菊池の先発機会は残り3試合となる見込みですが、その3試合すべてで日本人リレーを見たいものです。【四竈衛】

(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)