エンゼルス大谷翔平投手(29)が自身のシーズン最多ペースで本塁打を量産しています。ホームラン王争いはア・リーグで独走中。23日(日本時間24日)に右肘靱帯(じんたい)損傷という残念なニュースがありましたが、残り試合は打者専念という点を前向きに捉えれば、首位打者、打点王争いでも上位に付けており、3冠王の可能性もあります。
そして、さらに偉大な記録を作る可能性があります。米国では昔から最も注目され、高く評価されている「400塁打」です。3冠王に匹敵するぐらいの大記録と言っても過言ではありません。
大リーグの3冠王は15人、のべ17人だけの名誉。400塁打も1921年に今もメジャー記録の457塁打をマークしたベーブ・ルース(ヤンキース)ら18人、のべ29人だけです。そのうち、1920~30年代にのべ19人が達成。その後は、1997~2001年にのべ7人が集中します。
この頃はステロイド時代で、薬物疑惑のあるバリー・ボンズ(ジャイアンツ)、サミー・ソーサ(カブス)らが含まれています。また、「バッター天国」と呼ばれるコロラド州デンバーを本拠地とするロッキーズの選手がのべ3人。彼らを除くと実に少なく、特にア・リーグはルース、ルー・ゲーリッグ(ヤンキース)、ジミー・フォックス(アスレチックス)ら6人のみ。1978年のジム・ライス(レッドソックス)を最後に現れていません。
その年、右の強打者ライスはリーグ最多の213安打、15三塁打、46本塁打を放ち、406塁打で1937年ジョー・ディマジオ(ヤンキース)以来の大台到達となりました。ヤンキースのエースとして25勝3敗という驚異的な成績で地区優勝に貢献した左腕ロン・ギドリーより多くの票を集め、MVPに輝きました。決め手となったのが400塁打であり、それぐらい投票権を持つ全米野球記者協会の記者から高く評価されました。
ちなみに、昨年ア・リーグ新記録の62本塁打をマークしたアーロン・ジャッジ(ヤンキース)は391塁打で惜しくも届きませんでした。また、21年に大谷がア・リーグMVPに満票で選出されたときは318塁打でした。それぐらい400塁打はレベルが高く、難しい指標になっています。 大谷は今季、130試合中128試合に出場して317塁打(米時間26日現在)は、シーズン396塁打ペース。一時は400塁打を超える勢いでしたが、少しペースが落ちています。
78年のライスは1試合プレーオフも含めて全163試合に出場。敬遠四球はわずか7個でした。400塁打達成のカギは、残り試合も休まずに出場し、再び負傷者リスト入りしたマイク・トラウト外野手(32)が早期に復帰して援護砲となり、勝負してもらう必要がありそうです。50本塁打とともに、夢の400塁打からも目が離せません。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




