現地5日、スポーツ総合誌スポーツイラストレイテッドは今年のスポーツパーソン・オブ・ザ・イヤーをアストロズのホセ・アルテューベ二塁手とプロアメリカンフットボールNFLのヒューストン・テキサンズのJ.J.ワットの2選手が受賞したと発表した。合わせてドレスアップした2人が肩を組んで笑う同誌最新号の表紙写真も公開されている。

 1954年に創設された同賞はその年にフィールドの内外で最高のスポーツ・パフォーマンスや特に秀でた働きを見せた選手やコーチ、チームに贈られるもの。今回2人は8月に2チームの本拠地、ヒューストンを襲ったハリケーン・ハービーの被害に対し復興に向けて大きな貢献を果たしたことを評価されての受賞となった。そのため、表紙には“ヒューストン・ストロング”という復興スローガンが添えられている。

 アルテューベは今シーズン、204安打、24本塁打の活躍で、4年連続の200安打を記録。プレーオフでは地区シリーズ第1戦でポストシーズンでは史上9人目の1試合3本塁打を放つなどアストロズのワールドシリーズ制覇に貢献した。さらにア・リーグMVPにも輝いている。

 アストロズはハリケーンの被害が出た翌日からヒューストン・ストロングを意味する「ストロング」のパッチをユニフォームにつけ、ヒューストンの人々を励ます活動を始めた。そんななかでのワールドシリーズ制覇だから、地元に大きな喜びをもたらしたことは間違いない。

 その点についてアルテューベはAP通信に対し「ワールドシリーズは、厳しい時を過ごす中で、人々に大きな笑みと希望を与えたと思う。困難だっただけに、自分たちが成し遂げたことを本当に嬉しく思う」と語ったうえで、「パッチは証明だ。我々の都市が本当に強いという事実がわかる。ハリケーンの後で彼らは復興に努力し、毎日より良くしようと努力した。なんと強い人々だろう。ストロング・パッチとヒューストン・ストロングはヒューストンの人々に良い名前だと思う」と復興について語っている。

 一方のワットは3度最高守備選手賞に輝くNFLを代表する選手で、ヒューストンのスターだ。ただ昨シーズンは背中の怪我で3試合の出場しかできず、今シーズンも第5戦左足を痛め、シーズンを棒に振っている。にもかかわらず今回の受賞となったのは嵐から数日後、個人で20万ドルの目標を掲げて募金活動を始めたことがきっかけとなっている。すぐ目標額に達したが、ワットは目標額をアップして活動を続け、最終的に20万人以上から3700万ドルも募金を集めることに成功したのだ。

 この2人が受賞したことに異を唱える人はいないだろう。