MLB30チームのなかで最も資産価値が高いのはヤンキースで46億ドル。経済誌フォーブスが毎年恒例の資産価値ランキングを発表した。ヤンキースは昨年の40億ドルからその数字を伸ばし、22年連続でトップの座を維持した。一方、世界で最も資産価値が高いチームはプロアメリカンフットボールNFLのダラス・カウボーイズで50億ドルとなっている。

MLBの全体の平均では17億8000万ドルとなっており、昨年より8%増となっている。ただNFLの平均25.7億ドル、プロバスケットボールNBAの19億ドルよりも低くなっている。

成長率という点でも過去20年以上で平均資産価値は年平均11%の増加率を見せている。ただ同時期NBAは13%、NFLは12%増加しており、アメリカのプロスポーツ市場がいかに急拡大を続けているか、MLBが決して突出しているわけではないことがわかる結果となった。

今回資産価値が30億ドル以上と判定されたのはヤンキース以外に4チームあった。33億ドルのドジャース、32億ドルでワールドシリーズチャンピオンのレッドソックス、31億ドルのカブス、30億ドルのジャイアンツといういずれも名門チームだ。

また19億ドルで8位のエンゼルスと18億5000万ドルで9位のフィリーズは、それぞれブライス・ハーパー外野手と13年3億3000万ドル、マイク・トラウト外野手と12年4億3000万ドルという大型契約を最近結んだことで知られる。

反対に資産価値が低いと判定されたチームは、26位がアスレチックスで11億ドル、レッズが27位で10億5000万ドル、28位がロイヤルズで10億2500万ドル、レイズが29位で10億1000万ドル、最下位30位がマーリンズで10億ドルとなっている。MLBにおけるチームによる格差はあいかわらず大きいことがわかる。

地元地域の売り上げの格差はもっと大きく、ヤンキースの7億1200万ドルは下位6チームの合計よりも多いのだ。

またドジャースの営業利益は9500万ドルで、そのほとんどが野球関連の事業からとなっている。この地元収益がチームの収益の大部分を占めていることも特徴的となっており、各チームに分配される全米テレビ中継放映権収入が27億6000万ドルだったのに対し、チケット販売や物販などスタジアムと地元テレビ中継の放映権収入は72億9000万ドルとなっている。同誌は「このようにベースボールの序列はチケット、スポンサーシップ、そして地元のケーブルテレビの契約によって決定される」とまで断言している。

こうした観点からシーズンの行方を追うのも興味深いかもしれない。