現地7日、ドジャースはマリナーズからFAとなっていたテオスカー・ヘルナンデス外野手と1年総額2350万ドルで契約した。2021年にオールスターに選出され、20、21年に2年連続でシルバースラッガー賞に輝いた実力選手がスターチームの一員となる。
このオフ、ドジャースは来シーズンに向け、豪華なチーム陣の構築に貪欲な動きを見せている。大谷翔平投手と10年7億ドルで、山本由伸投手と12年3億2500万ドルで契約しただけでなく、やはりFAだったジョー・ケリー投手を1年800万ドルで獲得。タイラー・グラスノー投手とは5年1億3650万ドルで契約を延長した。スポーツ選手の契約を分析するSpotracによると、このオフにドジャースがまとめた契約の総支払額は12億200万ドルに達し、これは残りの29チームの合計12億2500万ドルに匹敵するほどの額だという。
これほどの額を一気に費やすことができているのはやはり年俸支払いの繰り延べだ。大谷の支払いについては10年間は年200万ドルだけで、残りの6億8000万ドル、約97%については34~43年の10年間に支払われることになっていることは日本でも大きな話題となった。今回、ヘルナンデスとの契約でも850万ドルに関しては、30~39年まで支払いが繰り延べになっているのである。
支払い繰り延べの理由はいわゆるぜいたく税対策である。繰り延べることによって来シーズンの年俸支払い額の算定額が少なくなるため、ぜいたく税の支払い額も少なくなるのだ。繰り延べ自体は新しいものではなく、ボビー・ボニーヤやマニー・ラミレス、ケン・グリフィー・ジュニアは50歳を超えた今も年俸を受け取っている。ただ大谷のような極端な策はこれまでとってこられなかった。
この手法によってドジャースが一線級の選手をかき集め、豪華なチームを作っていることにもちろん反発もある。ファンの間からは年俸総額に上限を設けるサラリーキャップ制度の導入を求める声が再燃している。さらにカリフォルニア州の会計監査官マリア・コーエン氏が現地8日、「現行の税制では、最高税率にあたる幸運な人々に対して無制限の延期が許されており、税制において著しい不均衡が生まれている」という声明を発表。高額な支払いの発生時に大谷がカリフォルニア州以外に在住していた場合、同州が約9800万ドルの税収を失う可能性を批判し、連邦議会に是正を求める事態にもなっている。
一方で、ぜいたく税対策をとっているとはいえ、ドジャースの年俸支払い額は2億9700万ドル以上に達しており、これまでぜいたく税の対象に何度もなっていることからドジャースは来年4000万ドル以上のぜいたく税を支払わなくてはならないと見られている。




