新たなパイオニアになる。ポスティングシステムで西武からパドレスに移籍した牧田和久投手(33)が10日、埼玉・所沢の西武球団事務所で移籍会見。日本球界屈指のサブマリンは「アメリカはパワーピッチャーが多い。緩急とテンポよく投げることで、どれだけやれるか。逆に長く持って、じらしたり。カーブも有効かと。持っているものを出せたら」と意気込んだ。

 米国ほどではないが、日本でもアンダースローは希少だ。スリークオーターから変えたのは静清工1年の秋。野球部長に言われたのが始まりだった。山田久志、渡辺俊介ら先達の映像で学んだが「可動域が自分とは合っていなかった」。試行錯誤してスタイルを確立した。「絶滅危惧種といわれてますけど、いつかは出てくる」と、アンダースローの道を切り開く気概を持つ。先に米球界に挑戦し、メジャー昇格はかなわなかった渡辺氏からも「通用すると思う」と背中を押された。

 レンジャーズからもオファーを受けたが、パ軍アドバイザーの野茂英雄氏や斎藤隆氏から「最大限、サポートする」と言われたのが決め手。野茂氏はメジャー挑戦のパイオニアでもある。牧田は「恐らくリリーバー。40、50、60…、70試合いければ十分。数多く投げたい」と目標を掲げた。オンリーワンの投球で、米国を驚かせる。【古川真弥】