2011年4月13日、日本ハム戦。9番右翼で先発出場した秋山は、2回1死三塁で迎えたプロ5打席目で、プロ初安打を放った。初球を中前適時打。ルーキーイヤーの開幕2戦目だった。

この一打から、ここまで9年間で1405安打。印象に残る言葉がある。

「何でも0から1にするのが難しい」

開幕前に意気込みを聞くと、まずシーズン1安打目への意識をこう答えた。社会貢献活動として続けているひとり親家庭の球場招待時には、野球を見るきっかけ作りとして、こう言った。

これまで日本人選手のメジャー出場がない唯一の球団、レッズでの挑戦。背番号は西武で慣れ親しんだ55から4に変わる。全く新しい番号を選んだのは、未踏の地という「0」を「1」に変え、新たに結果を積み重ねていこうとする男の、決意の表れなのかもしれない。【佐竹実】