「魔術師」の異名を取るカブスのハビエル・バエス遊撃手がパイレーツ守備陣を混乱に陥れて追加点を呼び込み、勝利に貢献した。

バエスは1-0で迎えた3回、2死2塁の場面で三塁方向へゴロを放ったが、これを捕球したエリク・ゴンザレス三塁手の送球がそれ、ウィル・クレイグ一塁手はベースを離れてキャッチ。そのままバエスにタッチしてこの回は終了となるはずだった。

ところが、バエスは予想に反してホームベースへ戻る動きを見せ、クレイグもつられて前進。本気を出せばタッチできたはずだが、バエスの、のらりくらりとした動きに同調するように、クレイグは余裕を見せながらバエスに迫る。そして、その間にホームを狙う別の走者をアウトにする皮算用でマイケル・ペレス捕手にトスを送ったが、それが失敗の元だった。油断からかタイミングが遅れてしまい、ゆっくりとした送球の間げきを縫い、走者のウィルソン・コントレラス捕手が滑り込んで生還。さらにバエスは“セーフ”のジェスチャーをしてから一塁へ疾走し、アダム・フレイジャー二塁手が慌ててカバーに入ったが、ペレスの送球はそれ、その隙にバエスは二塁へ。1人でカオスを生み出し、自らも生き延びてみせた。

MLB公式サイトによると、デービッド・ロス監督は「彼は少年のようなプレーをするね。多くの人が彼に魅了されるのはそれが理由だと思う」とコメント。バエスは「とっさに思いついたとだけ言っておくよ。ああいう瞬間には、素早く反応できるんだ」と話していた。