史上最高の「ムーンショット」が飛び出した。エンゼルス大谷翔平投手(28)がブルワーズ戦に「3番DH」で出場し、4試合ぶりの7号ソロを放った。

通算20球団目となるブ軍戦初アーチは、打球速度114・3マイル(約184キロ)の高速で飛び出し、高さ162フィート(約49・4メートル)まで達した。大リーグ測定システム導入後の8年では歴代最高到達で、滞空時間6・98秒は今季メジャー全本塁打中で最長。驚きのパワーを実証する「ロケット弾」で、今季17連戦ラストを勝利で飾った。

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高いだけでなく、速さも強さも兼ね備えた衝撃弾だった。1-0の3回2死。昨季ソフトバンクに所属した右腕レイの甘い86マイル(約138キロ)カットボールを捉えた大谷の打球は、開閉式ドームの屋根をかすめるかのように舞い上がった。一向に落ちてこない打球の行方を、ファンだけでなく、大谷もしばらく見つめていた。敵地スタンドに歓声とため息が交錯する中、高弾道アーチの代名詞「ムーンショット」の1発は、中堅バックスクリーン右奥へ消えた。

最高到達は地上から162フィート(約49・4メートル)と発表された。映像解析スタッツキャストが導入された15年以降では、歴代最高の軌道だった。滞空時間6・98秒も、今季メジャー960本塁打中では最長だ。打球角度39度は、本塁打では自身5位タイ(1位は45度が2本)。一般的に、打球の角度が上がるほどスピードは減速する。ところが、この日の一撃は、4月18日の4号で計測された今季最速116・7マイル(約187・9キロ)に次ぐ114・3マイル(約184キロ)と、弾丸ライナーのような高速で高い放物線を描いた。

近年、メジャーに浸透した「バレルゾーン理論」では、本塁打になりやすい条件として「角度26~30度、時速158キロ」が目安とされてきた。つまり、この日の39度は上がり過ぎ。ところが、超高速のスピードが加味されたことで、理論上の想定を超える飛距離126メートルの「ロケット弾」が生まれた。現役時代、自身も通算208本塁打の長距離砲として鳴らしたネビン監督も苦笑いしながら驚いた。「スコアボードのどこに当たるか見ていたが、あんなにでかいアーチを見たことはない。彼は特別だ。日々、何か新しいことをやってくれるよ」。

日本人選手では3人目となる20球団アーチ。初見参となった敵地ファンの度肝を抜く当たりで、今季最長の17連戦を締めくくった。休養日を挟み、2日(同3日)からは敵地でのカージナルス3連戦。侍ジャパンの同僚ヌートバーとの初対決が注目され、先発登板予定の3日(同4日)は元巨人マイコラスとの投げ合いが予想される。もはや異次元の領域に入り始めた大谷は、目の肥えたセントルイスのファンも驚かせるに違いない。

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