エンゼルス大谷翔平投手(28)が、今季2度目の1試合4安打をマークした。アストロズ戦に「1番DH」で出場。4打席目まで安打、三塁打、二ゴロ併殺、二塁打を放ち、9回の第5打席で本塁打が出ればサイクル安打だったが、右前打に終わった。

4月27日アスレチックス戦、5月15日オリオールズ戦に続き、早くも今季3度目の「サイクル未遂」。チームは9失点で完敗し、ア軍に3連敗で17日ぶりに貯金がなくなった。

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今季だけでも三たび、快挙への期待が膨らんだ。大谷は9回無死の第5打席、守護神プレスリーとの対戦。今季3打数で1本塁打を放っている右腕から、再び本塁打が出れば4年ぶり2度目のサイクル安打だった。2球目、真ん中高めの95マイル(約153キロ)直球を強振した。打球速度102・3マイル(約165キロ)で快音を響かせたが、打球が上がらなかった。イメージとは違ったのか、一塁ベース上で少し首をかしげた。

今季3度目のサイクル未遂。前回2回はともに投打二刀流でプレーした試合で、今回は登板翌日だった。5月2日以降、試合がない日以外で休養日はなく、投打でフル出場を続ける。だが、底なし体力の鉄人二刀流には関係なかった。

第1打席で打球速度109・9マイル(約177キロ)の高速単打を放ち、第2打席でも打球速度111・2マイル(約179キロ)の力強い打球を右中間へ運んだ。登板日の翌日で下半身にも張りはあるはずだが、大きなストライドで快足を飛ばし、悠々と三塁へ到達。一時は同点の適時三塁打を放ち、チームを鼓舞した。

第4打席では左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、5打数4安打2打点。前日、投打で完敗した借りを返すパフォーマンスを見せたが、勝ちにはつながらなかった。プレーオフ進出を目指すには負けられない同地区ライバルとのカード4連戦。攻守で力の差を見せられ、3連敗で貯金がなくなった。ネビン監督は「負けたことは腹立たしい。相手は(昨季の)チャンピオンチーム。ミスを突かれ、今日もやられた」と厳しい表情。大谷についても「打てない日もある。今日は、いい打席だった」と言葉少なだった。サイクル達成を三たび逃したこともむなしく響く、痛すぎる負けとなった。【斎藤庸裕】

▼大谷が2度目のサイクル安打を逃した。日本選手でサイクル安打に王手をかけて打席が回ったケースは35度目。大谷は19年6月13日レイズ戦での達成を含め通算7度目になり、今季3度目。通算3度以上はイチローの11度、松井秀の6度があるが、シーズン3度は大谷が初めてだ。サイクル安打は逃したが、自己最多の4安打(米通算6度目)をマークした。