【アナハイム(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、ホームランバトルを繰り広げた。ホワイトソックス戦に「3番DH」で出場。本塁打リーグ2位の敵軍ルイス・ロベルト外野手(25)が初回に22号ソロを放ったが、大谷は1点を追う4回に26号同点ソロ。貫禄の1発ですぐに差を4本に戻した。9回にはサヨナラ勝ちにつなげる四球を選び、3打数1安打1打点でチームの勝利に貢献。本塁打と打点で打撃2冠をキープした。

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大谷は乱れない、逃さない。4回1死、カウント3-1から突然、目の前を虫が飛び交った。追い払い、打席を外して気を取り直す。5球目、右腕シースのスライダーが外角要求から内角に入ってきた。失投を完璧に捉え、打球は角度36度で右翼席へ。手応え十分の表情で、打球を見上げた。「今日のシースはタフだったが、ショウヘイは非常に集中していた」とネビン監督。投手戦の展開で同点とする貴重な一撃。自軍ベンチを盛り上げた。

新ライバル、ロベルトとの熾烈(しれつ)なホームランバトル。1回、いきなり豪快な本塁打を見せつけられたが、お返しの1発で1歩も譲らなかった。打撃2冠をキープし、80試合を消化した時点での打撃成績は満票MVPを獲得した21年シーズンとほぼ変わらない。この日、6回の第3打席では本拠地のファンから「MVP! MVP!」と声援を受け、早くも2年ぶり2度目の栄冠を期待する声が上がった。

注目されるべきは本塁打や打点だけではない。同点の9回無死一塁から、四球を選んで好機を広げた。ネビン監督が「あの四球が非常に大きかった」と高く評価したつなぎの意識。さらに二塁走者トラウトと重盗を成功させ、足で相手をゆさぶった。重圧をかけ、暴投サヨナラ劇につなげた出塁とスピード。同監督は「オールラウンドの5ツール選手。それが違いを生む」と大谷の万能ぶりを絶賛した。

4試合連続でコツコツと打点を積み上げ、21年6月にマークした自身の月間最多を更新する24打点目をマークした。本塁打数は今月11本目で、自己最多13本まであと2本。チームはア・リーグ西地区でゲーム差なしの3位につけ、首位のレンジャーズとは5ゲーム差。大谷の打撃好調が続けば続くほど、おのずと頂点が見えてくる。

▼大谷が6月に24打点をマーク。21年6月の23打点を更新する月間自己最多打点となった。日本選手の月間24打点以上は09年8月の松井秀(ヤンキース=25打点)以来14年ぶり。日本選手最多は松井秀の29打点(03年6月)。

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