【アナハイム(米カリフォルニア州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(29)が、2年ぶりの3戦連発でサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

ヤンキース戦に「2番DH」で出場し、7回の第4打席で同点の35号2ラン。延長10回のサヨナラ劇につなげた。この日は安打、二塁打、本塁打と今季7度目のサイクル安打未遂となったが、本塁打の量産態勢をキープ。シーズン59・7本ペースで、昨年、ア・リーグ新記録の62本塁打を放ったヤンキース・ジャッジに迫る勢いとなった。

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スイングに、ガッツポーズに、表情に、力がこもった。大谷が、3戦連発の35号2ランで4万1180人のファンを熱狂させた。7回2死一塁、2番手の右腕キングの外角直球を捉えると、すぐに本塁打を確信。これまで以上にバットを派手に放り投げた。ベースを回って、ほえながらガッツポーズ。かぶとをかぶるため、ヘルメットを投げる手にも力が入った。

一振りで流れを変えられるチャンスだった。前の打席では敬遠され得点を阻まれたが、7回の場面でヤ軍は大谷との勝負を選択。となれば1発同点を狙い、集中力は高まる。バットを振った3度は全てフルスイング。最後に甘く入ってきた絶好球を仕留め、最高の結果が出た。ネビン監督は「今までフィールド上で見てきた中で最も感情があふれていた。素晴らしかった」と称賛。球場では、MVPコールの合唱も響いた。

本塁打キング独走の35号で、シーズン59・7本ペース。昨年、62本塁打で61年ぶりにリーグ記録を塗り替えたヤンキース・ジャッジの金字塔を1年で越える勢いだ。まさかと、誰も想像していなかったかもしれない。それを現実にできるのが、大谷翔平でもある。

予想不可能といえば、前カードのアストロズ戦で敵将ベーカー監督がポロリと口にしていた。「我々は、大谷をもっと理解しないといけないね」。大谷はファウル後に、手を振って痛がるそぶりを見せることがある。同監督はこれをジェスチャーで説明しながら、「その後にホームランだよ」と首をかしげた。昨年、ワールドシリーズを制覇した名将でも理解不能な大谷の並外れた修正力。この日も、本塁打の1球前は同じ直球をフルスイングの空振り。これは布石だったのか…。直後に、完璧な当たりで中越えにたたき込んだ。

この日は4打数3安打で今季7度目のサイクル安打未遂となったが、チームはサヨナラ勝ち。気迫あふれる大谷の姿に、ネビン監督は「彼は勝ちたい、ここで勝ちたいというのが分かるだろう」と言った。トレード報道などで連日、周囲はざわつく。だが、そんな雑音をかき消すように、大谷は勝利の喜びに浸った。

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