オールスター史上初となる「スイングオフ」(本塁打競争)による決着は、ナ・リーグが4本-3本で勝利を収めた。2番目に登場したカイル・シュワバー(フィリーズ)が3スイングで3本を放つ活躍。陰の立役者は、打撃投手を務めたディノ・イーベルコーチ(59)だ。

普段はドジャースで三塁コーチを務めるイーベルコーチは、米国代表でもおなじみの存在だ。23年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、シュワバーの打撃コーチを務めていた。この大会でシュワバーは、日本代表のダルビッシュ有(パドレス)から本塁打を放っている。

シュワバーはスイングオフに入る前、イーベルコーチと会話をかわしていた。「直前に彼が『どこに投げてほしい?』と聞いてきたんだ」。左中間から中堅を狙うつもりで「俺は『真ん中でいいよ』と答えたんだ。そしたら彼は『任せとけ』とね」。打ち合わせを完了していた。

シュワバーは最初の2球を見送った後、初スイングとなった3球目を中堅に打ち込んだ。さらに右中間へ461フィート(約141メートル)の特大アーチを放った。2球を見送った後、最後は左膝を地面につけながら右翼へ決勝となる3本目を放った。

イーベルコーチは、ロサンゼルスタイムズ紙の取材に「本当にエキサイティングな瞬間だったと思うよ。球場に残った人たちにとっても、テレビで見てた人たちにとっても、すべてが」と話した。さらに「こんな場に関われたなんて最高さ。ウオームアップで10球ぐらい投げて準備したら、あとは『よし、やってやろう』っててね」と続けた。

試合後のロバーツ監督はご機嫌だった。「新聞にはディノの名前の横に『勝利投手』と書いてくれよ。ディノが勝利を手にしたんだ、間違いなくね」。記録上は史上初となる「勝利投手なし」の勝利だが、陰の立役者をたたえた。

イーベルコーチは現役時代、88~94年までドジャースのマイナーでユーティリティー内野手として所属した。メジャー昇格はできなかった。コーチとしては06年から18年までエンゼルスに所属し、19年からドジャースに復帰した。エンゼルスからドジャースに移った経歴は大谷翔平と重なる。

最近では、ドラフト会議で注目を集めた。息子のブレイディ・イーベル内野手(17)が、ブルワーズから全体32位で指名を受けたからだ。自宅でドラフト指名を喜び合った後、深夜便でアトランタに出発していた。ナ・リーグに勝利を呼びこんだ後は、同紙に「今もアドレナリン全開だよ。正直、全然寝てないけど、今は何日も寝た気分さ。とにかく気持ちが高ぶってるんだ」と話した。

【詳細】オールスター異例の「スイングオフ」で決着!シュワバー3連発でナ・リーグ勝利