日本ハム大谷翔平投手(21)を分析。

 大谷が勝利、防御率、勝率の投手3冠に輝いた。

 この3部門がリーグ1位は13年田中(楽天)以来22人、26度目。21歳以下のシーズンに投手3冠は37年春の沢村(巨人=20歳)57年稲尾(西鉄=20歳)に次いで3人目だ。

 今季も二刀流を継続した大谷は22試合に登板、投手以外で48試合に出場した。二刀流のために登板数が限られ、2リーグ制後の最多勝投手では04年岩隈(近鉄)の21試合に次いで少なく、3冠投手では最少登板だった。野手48試合のうち21試合はDHで先発。野手で10試合以上先発して投手タイトル獲得は46年白木(セネタース)以来、59年ぶり。36年秋の景浦(タイガース)と42年野口(大洋)が2部門でトップだったが、3冠は初めてだ。

 被打率は1割8分。今季、両リーグの規定投球回以上で被打率1割台は大谷しかおらず、パ・リーグでは歴代6位の好記録だ(1位は56年稲尾の1割7分3厘)。中軸を抑えた。対5番打者の被打率が1割6分4厘で、対4番打者は61打数9安打の被打率1割4分8厘。7月24日西武戦で中村にソロと満塁の2発を浴びたが、それ以外に許した打点は5月30日ルナ(中日)の1点だけ。打順別の奪三振数は4番の29個が最も多かった。

 来季への課題は8月以降の投手成績と打撃。昨年の8月以降は2勝3敗で、今季も7月までの11勝1敗から4勝4敗へペースダウン。防御率も2・98に下がり、1点台を逃した。プロ通算9敗のうち7敗が8、9月に集中している。打撃は打率2割2厘と17打点がプロ最低。本塁打も昨年の10本から5本に半減した。走者を置いて本塁打を打てず、2年連続3割を超えていた得点圏打率が2割で好機にも弱かった。DHで先発した21試合は83打数15安打、打率1割8分1厘と結果を残せず、後半戦は代打専門だった。【伊藤友一】