日本ハムは「すし男」ことレアードの“2貫目”で試合を決めた。延長10回、守護神サファテの151キロ直球を決勝の12号2ラン。2打席連発を放った助っ人は、興奮しながら「すしポーズ」を繰り返した。「サファテはいい投手だから、何とかバットに当てようと思った」と、豪快に左翼席へ放り込んだ。

 8回には“1貫目”を握った。一時勝ち越しとなる11号ソロ。左翼ポールのはるか上を越えた打球は、リプレー検証の末に本塁打と認定された。「心臓バクバクだったけど、安心したよ。ああいう場面で自分は輝くと思っている」。チームを4カード連続勝ち越しに導く値千金の2連発。ソフトバンク戦では今季6本目。栗山監督も球場を後にする前にグータッチで感謝を示した。

 劇的な流れをつくったのは、「かわいすぎるスラッガー」谷口だ。6回に代打で登場し、同点の1号3ラン。「とにかく必死でした。必死!」。15年6月2日広島戦(マツダ)以来、通算2本目の代打弾で劣勢をはね返した。

 レアードとは不思議な関係性がある。谷口が明かす。「レアードはマッサージをしてもらいたい時に、絶対に僕を指名するんですよ」。試合前だけでなく、試合中もベンチで目が合うと日本語で「オネガイシマス」。肩をほぐしたり、頭をポンポンたたいたりするが「意外と血の気が多い時もあるんです。だから、気持ちもほぐしてあげられたらなと」。強烈な個性を放つ仲良しコンビで、白星をたぐり寄せた。【木下大輔】