だからといって確実性を捨てるわけではない。「前の試合、タコってチームは勝ったけど貢献できなかった」と、10日西武戦の4打数無安打に唇をかんだ。この日も打撃フォームの微修正を繰り返していた。栗山監督からは試合前に「ちょっとだけ、力を抜いていきましょう」と声をかけられた。試合後は「タイシしか分からない思いがあると思う。苦しかったと思う」と気遣われた。

 チームも勢いに乗って今季最多得点での大勝。口火を切った大田は、東京ドームでのド派手な活躍にも「いろいろな思いはありますけど、もうファイターズの一員。まだまだファイターズに貢献しないといけない」。ここから大田もチームも「サイコー!」な覚醒が始まる。【木下大輔】

 ▼大田がプロ初の1試合2本塁打。東京ドームでの1発は巨人に在籍した昨年6月5日日本ハム戦で、大谷から先頭打者本塁打を打って以来。

 ▼日本ハムが1試合7本塁打。チーム1試合最多本塁打のプロ野球記録は9本(過去4チーム)だが、日本ハムでは東急時代の50年、東映時代の71年にマークした7本に並ぶ球団最多。前身球団を含め3度ともロッテ戦で記録した。71年は作道、大下、大橋、張本、大杉の5者連続(プロ野球記録)が10回表に飛び出した延長戦。9回試合では50年以来67年ぶりとなった。

 ▼日本ハムの1試合15得点以上は10年3月22日ソフトバンク戦(16-5)以来7年ぶり。