日本ハムが、かつての本拠地東京ドームで本塁打を量産した。ロッテ7回戦で球団タイ記録の1試合7発。打線の火付け役は大田泰示外野手(26)だ。2回に左中間へ先制2号ソロを放つと、5回には右中間へ3号2ランを運んだ。昨季まで在籍した巨人の本拠地で、真の覚醒を予感させるプロ9年目で初の1試合2本塁打。大きな流れに乗ったチームも今季最多13安打15得点を挙げ、大勝した。

 大田は試合後も爆発した。文句なしでお立ち台に立った。巨人時代の本拠地、東京ドームでの本塁打に「サイコーでした!」。初の1試合2本塁打に「ホームランはサイコーでした!」。最後はファンへのひと言を求められ、インタビュアーのマイクを右手で奪った。左拳を突き上げて「ファイターズ、サイコー!」。声は少し、裏返ったが「サイコー!」の連発で盛り上げた。

 歴史的大勝の火付け役だ。2回の先制2号ソロは失投を逃さず左中間へ。「何とかっていう気持ち」。それが打線にも伝わった。3回以降、近藤、レアード、西川がアーチをかけ、大田も5回に右中間へ3号2ラン。難敵の涌井をKOした。最後は4番中田が締め、46年ぶり3度目となる球団タイ記録の1試合7本塁打。「僕1人でやったわけじゃないので」と照れたが「サイコー!」な流れを呼び込んだ。

 こんな豪快な打撃を取り戻すことが、新天地でのテーマだった。「やっぱり、自分はホームランが魅力。それを追い求めないといけない」。巨人時代は結果を求めるあまり、安打狙いの軽打となる時もあった。「自分の持ち味は違う」と、昨オフのトレードを機に見直した。持ち味のフルスイングから放たれる、魅惑の飛距離を再び追い始めた。