ここが踏ん張りどころや。阪神がソフトバンクとの両リーグ2位球団対決で力負けした。打線は鷹投に毎回の14三振を喫しての完封負け。この日からパ・リーグ上位3球団との対戦が続くが、その初戦から強敵に屈した格好だ。それでも、今季幾度も反発力をみせてきた金本阪神。リーグ戦でも首位広島に3ゲーム差と広げられたが、この正念場も反発力で乗り越えてくれ。

 猛虎打線が勝負どころで、力と力のガチンコ対決に完敗した。3点を追う6回だ。1番糸井、2番上本の連打に盗塁が絡み、無死二、三塁で押せ押せムードに。最高潮に達したはずの逆転への機運は数分後、一気にしぼんでいた。3番高山は2ボールから148キロを狙うも浅い左飛。4番福留は外角151キロに見逃し三振。5番原口は高め151キロに押し込まれて一飛。右腕バンデンハークの強く伸びる直球に、敗れた。

 金本監督 「去年から言っているけど、速い球をとらえきれない。それが一番じゃないですか」。

 来日3年目のバンデンハークはヤフオクドームで無傷の10連勝中だった。難攻不落の198センチ右腕が振り下ろす、角度のある直球に苦しんだ。真っすぐを意識すればするほど、ナックルカーブに惑わされた。1回表は無死二塁から2番上本、3番高山、4番福留がすべて直球の勝負球で3者連続三振。1点を追う3回2死一、二塁では高山が落差のあるカーブに空振り三振だ。先発右腕の前に6イニングでわずか3安打、9三振。好機でことごとくギアチェンジを食らい、5月23日巨人戦以来今季3度目の完封負け。終わってみれば鷹投に14三振を喫した。

 この日、クリーンアップ3人は計12打数ノーヒットで7三振。原口は試合後、「6回はあと1本打てれば、まだ分からない展開だったので…。うまく的を外されたというか、一番振ってはいけない高さのボールに手を出して打ち取られてしまった」と悔やんだ。日本では13年ぶりに1試合4三振を献上した福留、高山は厳しい表情のまま、チームバスに乗り込んだ。

 金本阪神2年目。打線全体を見れば、スイングの力強さが昨季より向上し、土壇場での反発力もアップしていることは間違いない。だからこそ、昨季までと同様に速球派の長身右腕に苦しんだ事実が悔しい。今日10日は21歳右腕松本裕との対決が待つ。今度こそ、思う存分フルスイングで打ち砕きたい。【佐井陽介】

 ▼阪神がソフトバンクの4投手に毎回の14個の三振を奪われた。2日の日本ハム戦の13個を上回り、今季最多となった。また、毎回三振は4月23日の巨人戦、5月30日のロッテ戦に続き今季3度目。阪神が14三振以上奪われるのは16年6月18日のソフトバンク戦の14個(千賀に13、サファテに1)以来だが、このときも毎回三振で、2年続けてソフトバンクに「14三振&毎回三振」を喫したことになる。