阪神が、「日本生命セ・パ交流戦」4カード目で初めて負け越しを喫した。ソフトバンク3連戦は高山、福留、原口の中軸が合計で32打数1安打。金本監督は「それでは点が入りませんわね」と苦笑いし、「(打線は)全体的に落ちているね」と嘆いた。左太もも裏痛で前日10日のゲームを欠場した糸井が、この日代打で出場したが空振り三振。当面は代打出場になる可能性が高く、“不在”は今後に影を落としそうだ。

 最後は3番高山が体勢を崩され、空振りした。3点を追う9回2死二塁、ソフトバンク守護神サファテのフォークに三振。今カードを象徴するような終わり方で、虎は交流戦では初で、4カードぶりとなる負け越しを食らった。

 金本監督 3試合でヒット1本か、3人で。それでは点が入りませんわね。

 指揮官は試合後、そう苦笑いした。この3連戦は3番高山、4番福留、5番原口のクリーンアップを崩さなかったが、3人の3戦合計は32打数1安打だ。この日は当初対決予定だった千賀が背中の張りで離脱。代役先発した左腕山田の前に5イニングで1点しか奪えなかった。左太もも裏負傷で2戦連続ベンチスタートとなった糸井の“不在”が、重くのしかかった。

 金本監督 まあ、(打線は)全体的に落ちているね。(山田から)1点というのは反省してほしいし。ストライクを取るのに四苦八苦している投手だったから、もっと早くとらえてほしかったけど。

 今季初登板の山田は力みもあったのか、制球に苦しんでいた。2点を追う2回は2死から1安打1四球で一、二塁とするも、8番大和の左前打で二塁走者鳥谷が本塁憤死。3回は1安打1四球で2死一、三塁とした後、福留が二ゴロに倒れた。5イニングで100球を投げさせながら、得点は9番梅野のソロ1発だけ。6回以降も救援陣から1点を追加するのがやっと。10残塁で最後は突き放された。

 高山はこれで20打席連続無安打。原口も15打席連続でヒットが出ていない。片岡打撃コーチは高山について「ちょっとポイントが近いね。足の張りが出てから本来のスイングができていない」と心配顔だ。原口は「自分の形でしっかり打てるようにしないと」と厳しい表情で自戒した。

 ソフトバンクは主力勢の離脱が相次いでいる。先発陣では和田に武田、千賀、野手陣は今月に入って内川、前日10日に開幕マスクの高谷、この日は主砲デスパイネまで離脱しながら、層の厚さが際立つ。虎も今こそ、チーム全体の底力を結集する時だ。【佐井陽介】