ソフトバンク柳田悠岐外野手(28)は4秒動かずに打球を見つめた。「自分のスイングで完璧にとらえられた」。打球はバックスクリーン右のスタンドに飛び込む135メートルの21号特大2ラン。オリックス金子から通算70打席目で初めての本塁打が決勝の2ランとなった。

 今季この試合まで金子には11打数0安打と完璧に封じられていた。だが、1回に低めのカーブを右前へ先制適時打。「頼むからバットに当たってくれと思ったが、いいところへ飛んでくれた。(金子さんは)すごいですもん。しっかりやってきたことを出すだけ」と笑った。

 MVPを獲得した交流戦から調子を上げ、21本塁打、70打点はリーグトップ。打率も3割1分6厘で3位と、十分3冠王を狙える位置にいる。夏場になるが「食べてます。体調もいいです」と問題ない。この日お立ち台では九州、広島などの豪雨のことを聞かれ、しばらく言葉を考え「またぜひ球場に来てください」と呼びかけた。

 チームは内川が欠場する中、今季7度目の4連勝。首位楽天にピタリと並走している。工藤監督も「柳田はよく打ってくれた。(チームも)いい感じできている」と手応えを感じている。球宴前に首位を奪う。【石橋隆雄】