パンダよ、救世主になってくれ! 阪神新外国人ジェイソン・ロジャース内野手(29=パイレーツ3A)が7日、西宮市内で入団会見を行った。推定年俸は30万ドル(約3300万円)で背番号は48。185センチ、117キロの巨漢で「パンダ」の愛称を持つ新助っ人は、早速鳴尾浜でフリー打撃も行い、“来日1号”もカッ飛ばすなど早くも臨戦態勢だ。チームは巨人に完敗し、首位広島とのゲーム差は最大の8に拡大。球宴明け17日広島戦(甲子園)にも1軍参戦する“虎のパンダ”に貧打解消をご期待だ。

 七夕にやってきた“パンダ”は、やる気満々だった。入団会見では「打率も残せるつもりだし、パワーも披露できる自信がある。守備でもチームに貢献したい」と目を輝かせた。185センチ、117キロの巨漢で、鳴尾浜で会った188センチの新人才木が「デカイですね」と驚いたほど。米国時代はチームメートから「パンダ」の愛称で親しまれていたという。「パンダの横たわる感じとか、体の大きさとからなのかな…。もちろん(日本でも)そう呼んでもらってもいいし、新しいものを考えてくれてもいいよ」。歌手クリス・ハート似の優しい笑顔を浮かべた。

 やる気は行動でも表した。入団会見を終えると、甲子園球場に隣接したクラブハウスを見学して首脳陣、選手らにあいさつ。その足で鳴尾浜へ向かい、午後2時すぎから自主練習を行った。キャッチボール、ティー打撃、そしてフリー打撃。前日6日に来日したばかりということもあり、フリー打撃は軽めに46スイング。それでも左翼防球ネットを直撃する“来日初アーチ”も披露。一塁でノックも受けた。6月28日まで3Aの試合に出場しており、体調の良さをアピールした。

 日本野球の予習もバッチリだ。3Aでは昨年、村田透(現日本ハム)と対戦し、本塁打も打っている。「何度も対戦しているので、(日本の投手攻略の)ヒントにしたい」。オリックスでプレー経験のあるランズラーらからは、「エンジョイすることが大事」とのアドバイスももらった。今春のWBCの日本戦もチェック済み。自ら日本のプロ野球の歴史や金本監督の連続試合出場記録についても調べている。「何でも興味があるので、文化や食についても知りたい。日本語も勉強したい」と貪欲だ。

 チームはこの日、打線が振るわず巨人に完敗。ついに首位広島と今季最大8差が開いた。新助っ人への期待は高まるばかりだ。

 金本監督は「会ったよ。打つのを見てみないと分からない」とコメント。9日の巨人戦の試合前練習に参加させ、指揮官はじめ1軍首脳が状態を確認する予定だ。片岡打撃コーチは「(実戦には)そんなに時間はかからないと思う」と話しており、順調に就労ビザが取得できれば、最短球宴明けの17日広島戦(甲子園)からの1軍参戦もありうる。七夕の願いは「虎のパンダよ、奇跡の扉をこじ開けて!」だ。【高垣誠】

 <動物の愛称がついた阪神の外国人選手>

 ◆荒熊 89年のフィルダーは、188センチ、101キロの巨体と抜群の飛距離から「荒熊」と呼ばれ、38本塁打。横浜スタジアムでは2打席連続場外本塁打と、無類のパワーが光った。

 ◆ワニ男 ヤクルトから移籍した90年パリッシュは、出身地の米フロリダ州の名物ワニ料理を好んだ。ついた異名は「ワニ男」。日本でも食べられるレストランを探し出し、栄養をつけた。

 ◆ゾウさん 98年に中日から加わったパウエルは、ファーストネームの「アロンゾ」をもじって「ゾウさん」との愛称で親しまれた。