次こそ本家オールスターで100万円以上ゲットだ。「フレッシュオールスターゲーム2017」で、全イの2番手で登板した楽天のルーキー藤平尚真投手(18)が、1回2奪三振無失点で、優秀選手賞(賞金50万円)を獲得した。試合は両軍計17投手が無失点に抑え、史上初めて0-0で引き分けた。最優秀選手賞(100万円)は2本の二塁打を放った全ウのソフトバンク曽根海成内野手(22)、優秀選手賞は藤平と、全ウのソフトバンク古谷優人投手(18)が獲得した。

 バスへ向かう藤平は、開口一番で「あと三振1個でMVPでしたね」と悔しさをにじませた。昨年のフレッシュ球宴で3安打1打点1盗塁をマークし、優秀選手賞となった1学年先輩のオコエからは「100万円(MVP)を取ってこい」と指令を受けていた。1イニングを無安打無失点、2奪三振で優秀選手賞となり「次は1軍のオールスターで3者連続三振を取れるように」と唇をかんだ。

 反省を口にしながらも、圧倒的な投球だった。2番手で2回から登板すると、先頭のソフトバンク栗原を143キロ直球で空振り三振に仕留めた。次打者のオリックス杉本は外角スライダーで空振り三振。2者連続で3球三振に片付けた。声援も一段と高まったが、中日石岡をフルカウントに追い込みながら捕邪飛に終わり「相手の方が一枚上手でした。90点です」と言った。

 100万円を全力で取りにいった。「プロ野球選手らしいものが欲しい」。スイス製の高級時計HUBLOT(ウブロ)の購入資金として、賞金を使う予定だった。夢はかなわず、本家オールスターでのMVP獲得に目標をシフトチェンジした。ファンの前で「いつかはチームの岸さんや則本さんのような球界を代表する投手になりたい」と大きな目標を掲げた18歳。同世代の西武今井、ソフトバンク古谷と同じ舞台に立ち「ライバルと思っている存在。自分たちの世代を引っ張っていけるように、早く1軍で活躍できるように」と青写真を描いた。【栗田尚樹】